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【AppSheetでゴルフスコア管理】1:まずはスプレッドシートでデータベースを作る

2022/10/02

Appsheet

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【AppSheetでゴルフスコア管理】1:まずはスプレッドシートでデータベースを作る
(写真AC)


ノーコードアプリ開発ツールAppSheet、お使いの方も多いと思います。AppSheetをはじめとするノーコードアプリ開発ツールの特徴は、Excelなどのスプレッドシートをデータベースにして簡単に在庫やタスク管理などのアプリを作ることができる点です。

業務アプリではないAppSheetアプリも作れる

では、実際にAppSheetでどのようなアプリが作れるのでしょうか? AppSheetのサイトではいくつかのテンプレートが紹介されていますが、業務関連のものが多いですね。そこで、今回は業務には全く関係のないけれども、スプレッドシートを使うことが多いと思われるデータ管理の一つである「ゴルフスコア管理」をAppSheetでアプリ化してみたいと思います。

ところで、ゴルフスコア管理アプリ自体はすでに便利で無料で使えるものがいくつも出ています。世界中のゴルフ場データが揃っていて、いちいちセットする必要もないものもあります。

今回ご紹介するAppSheetアプリでは、そこまで便利な機能は備えませんので、急いでスコア管理が必要な方は既成のアプリを使った方が良いでしょう。でも、AppSheetの自作アプリであれば、自分専用の分析やグラフ表示ができたりします。まさに「自分だけのゴルフスコア管理アプリ」もいかがでしょうか。

このアプリは、AppSheetがログインできている状態から、週末土日それぞれ2時間程度、二週間くらいで完成できます。このシリーズは全6回で構成されています。

AppSheetとは?

実際のアプリ作成に入る前に、「AppSheetってなんだったっけ?」

AppSheetはGoogleが提供するノーコードアプリ開発ツールの一つです。

ノーコードアプリ開発とは?

ノーコードアプリ開発とは、その言葉の通り、コードを使わない、つまりプログラミングしないでアプリを開発する、ということになります。通常のPCソフトや携帯のアプリはプログラミング言語を用いて開発されますが、ノーコードアプリ開発は、こうした言語を使わず、データベースとアプリの画面設定、ボタンを押した時の挙動などを「設定」しながら形にしていきます。

この「設定」は、ツールにもよりますが比較的さまざまな形で行うことができ、ノーコードと言いながらプログラミング言語を使った開発とほとんど変わらないようなアプリを作ることもできます。但し、もちろん限界はありますので、どうしても欲しい機能が実現できないこともあります。また、設定の組み合わせを上手に使って機能を実現できることもあります。

AppSheetは開発環境が無料から

AppSheetはそうした開発ツールの一つで、開発環境は無料で利用することができます。また、個人利用であれば無料で携帯にアプリを配置することもできます。一部機能は有料提供になりますので、都度確認が必要でしょう。AppSheetの機能はデータベースとアプリ画面をつなぐだけでなく、バーコード読み取りやオートメーション(作業やルーティン業務の自動化)、OCR、翻訳やAPIとの接続など、使いこなしていけば非常に多くの機能を活用することができます。でも、今回のゴルフスコア管理アプリは、無料機能だけで作成します。

ゴルフスコア管理アプリの要件

ゴルフスコアの管理にはどのような機能が必要でしょうか。

ここでは、アプリの基本的な機能として以下のようなものを備えることにします。

  • ゴルフ場基本データ・コースデータ(各ホールパー)
  • スコアデータ(プレー日、各ホールスコア・パット数、フェアウェイ・OB・バンカー有無)
  • ゴルフ場ごとの平均スコア、平均パット数
  • スコア推移などのグラフ表示

機能は多くありませんが、既成のゴルフスコア管理アプリと同程度の機能は備えることができます。もちろん、この他の機能も付け加えることができます。

まずはデータベースの作成

AppSheetアプリ開発の基盤になるのはデータベースとなるスプレッドシートです。スプレッドシートをAppSheetに読み込むことによって、AppSheetがアプリ作成の初期設定をしてくれます。といっても、AppSheetが自動で全部設定してくれるわけではありません。AppSheetで詳細設定をしなければいけません。

ということで、AppSheetに進む前に、まずスプレッドシートでデータベースを作成します。


ところで、スプレッドシートは縦・横の二次元データになっています。ゴルフスコアの管理は

  • プレー日
  • 18ホール
  • 各ホールのスコア・パット数、フェアウェイキープ
  • 各スイングのデータ
とデータ管理の階層が多いのが特徴ですが、これをスプレッドシートに落とし込むのは結構難しいです。なるべく楽に作りたいですが、AppSheetで機能する形にもしておく必要があります。ゴルフスコアアプリを見ると、各ホールでのスコア・パット数などを記録しているものが多いように思います。そこで、AppSheetでも同じ程度のデータを記録するアプリを作ります。

ゴルフスコア管理アプリを作る上で良いことは、原則としてどこのゴルフ場も18ホールあることです。つまり、プレーごとに18の小箱を作れば最低限のデータを記録することができます。最初から18ホール分の箱を作っておくのも面倒ですし柔軟性が失われるリスクもありますが、アプリ構築で難しい工程は不要になると思いますので、手軽にアプリが作れるようになります。どんなスプレッドシートを作るかというと・・・こんな感じです。


【AppSheetでゴルフスコア管理】データベース用スプレッドシートのイメージ

これで18ホール分のデータを簡単に扱うことができます。ただし、AppSheetアプリ開発のほとんどの作業を18回繰り返す必要があります、念の為・・・

ということで、スプレッドシートでデータベースを作ります。

シートは2つ

今回のデータベースは「コース」のデータと各プレーのスコア等を記録する「スコアデータ」の2つです。AppSheetでは、各スプレッドシートがそれぞれのテーブルに対応します。


コースデータ

プレーするゴルフコースの基礎データ(名前、住所、コースの特徴など)と各ホールのパースコアデータを保持します。既成アプリではデータベース化されていてゴルフ場名で検索すれば世界中のゴルフコースデータが自動で出てくるかもしれません。そこまでの機能もデータベースもありませんので、新しくプレーするコースでは手動入力します。なお、コースの写真も添付できるようにしてみます。

シートのイメージはこのようなものになります。


【AppSheetでゴルフスコア管理】コースデータ用スプレッドシート

シートの列に決まりはありませんが、A列はデータ識別用に固有のIDを付すための列にしておくと良いでしょう。また、F、G列は空白列になっていますが、これはAppSheetに読み込んだときにデータの区切り用に使います。

パーデータの列は、18ホール分作ってしまいます。列の名前が重複しないように気をつけましょう。


スコアデータ

プレーごとのスコアを記録するシートです。プレー日、コース(IDで管理)、各ホールのスコア・パット数・フェアウェイキープ・OB・バンカーの有無などを保持します。


【AppSheetでゴルフスコア管理】スコアデータ用シートを作る


こちらも空白列を入れていきます。ホールが変わる前の列を空白列としておき、ホールとホールの区別がつくようにします。そしてホールデータのセットを18ホール分作ります。列の名前を全て変えないといけないのが面倒ですね。

Googleスプレッドシートの列が足りない?

尚、Googleスプレッドシートは、初期設定ではZ列までしかありません。一方、18ホール分のデータセットを作り終えると、18ホール目の終わりはDY列です。

列が増やせない?いえいえ簡単です。端から増やしたい数の列を範囲指定して右クリック、出てきたメニューで「x列を挿入」を選択します。ただし、毎回増やしていくのが面倒ですが。

こちらもご参照ください。


Google ドキュメント エディタ ヘルプ

スプレッドシートの列、行、セルを追加、変更、移動、削除できます。

シートができたらAppSheetでアプリを作成する

これでデータベースになるスプレッドシートができました。では、いよいよデータベースをAppSheetに送ってアプリを作成します。

GoogleスプレッドシートからAppSheetへの接続は簡単です。Googleスプレッドシートの「拡張機能」メニューをクリックすると、「AppSheet」のタブが出てきます。「Apps Script」と似ていますが間違えないでください。「AppSheet」をクリックして、次に「アプリを作成する」をクリックします。


【AppSheetでゴルフスコア管理】GoogleスプレッドシートができたらAppSheetでアプリを作成する

GoogleアカウントのAppSheetへのアクセス許可の画面が出るかもしれません。それから「ちょっと待ってください」ウィンドウが出ます。早速アプリが作れられています。


【AppSheetでゴルフスコア管理】GoogleスプレッドシートからAppSheetアプリを作る

そして、AppSheetでアプリができました。


【AppSheetでゴルフスコア管理】 AppSheetアプリができた

これでとりあえずアプリはできています。しかし、このままでは使いたい形にはなっておらず、ノーコード開発といっても、アプリを完成形にするためにカスタマイズが必要です。

次は何する?

次回はAppSheetでアプリのカスタマイズを始めます。

まずは、コースデータの入力・表示に必要なテーブルの詳細設定や入力フォームのカスタマイズをして、見栄えを良くしていきましょう。

【AppSheetでゴルフスコア管理】2:テーブルの設定とアプリ画面の入力フォームを複数ページに分割

ノーコードアプリ開発ツールAppSheetを使ってゴルフスコア管理アプリを作ります。テーブル設定と入力画面をページ分割するShow型の設定をして画面の見栄えを良くします。


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