あの大作が公開されてから36年、ついに続編が満を辞して登場!という割には前作の二番煎じを感じざるを得ないのはなぜでしょうか。正直世間の評判ほどの感動は得られなかった、「トップガン マーヴェリック」です。
「トップガン」といえば、言わずと知れたトム・クルーズの出世作であり代表作。それを彼自身が製作に参加してついに待望の続編が登場、のはずなのですが最初から強烈な既視感に襲われてしまいます。いや、この既視感がいいのだ、ということなのかもしれませんが、なんというか全編にわたって既視感しかないのですよ。
そうです。足りないのはリアリティーというか人間臭さ。トップガンでは、マーヴェリックとアイスマンの嫌味なほどのライバル関係が強烈で新鮮だったはずです。そして朋友グースとの関係。若さと人間臭さがストーリーに厚みを出していたのです。
が、本作では、同じようなライバル関係は描かれますが、前作をなぞるだけで薄い。大体ルースターとハングマン以外のメンバーはそもそも影が薄い。ストーリーに貢献しているのでしょうか?そしてそこに主役マーヴェリック。若き訓練生の物語を打ち消してしまうような、38年経ってもやはり現役の主役が総取りしてしまうと、ストーリーも何も、全てマーヴェリックになってしまうのです。
そしてヴァル・キルマー。本人が出演を熱望したとはいえ、この役柄なのか?そしてこの顛末?アイスマンの存在感が大きかったとはいえ、こんな流れになるとは本人もこれでいいのでしょうか?もちろん本人は承知しているのでしょうが、これでは本人の生涯そのものであり、あまりに身を切り過ぎている気がしてなりません。
さらに話の筋にも疑問が。とある国のウラン濃縮プラントを破壊するための特殊作戦って言ったって、アメリカ軍が秘密裏に他国の国境を超えて侵入し、ウラン濃縮プラントの入口をピンポイントで狙って破壊(しかも2発も)、そして特殊作戦なのに急上昇して大量の対空ミサイルの餌食になり、最後は敵基地から戦闘機を奪取して帰還するなんて、まさにミラクル、いや「ミッション・インポッシブル」でしょうこれは。戦闘機アクションなのに地上のアクションもありとは、しかも難なく敵機を奪取してしまうとは。前作のように、味方の援護のために緊急出撃して敵機と戦闘に、という方がよほどシンプルでリアリティを感じるのですが。
映画批評も高評価の本作ですが、トップガンへのノスタルジー以上でも以下でもないように思えてしまうのです。今になってもカッコ良いのはトム・クルーズだけ。世の中は時間を経て変わっているのです、年相応に太ってしまって出演しないケリー・マクギリスのように。
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