ある意味イギリスの階級社会を映し出そうとした作品。
貴族の館に忍び込んだ中流階級の若者4人がフォックスハンティング(狐狩り)ならぬマンハンティングの獲物になってしまい、這々の体で脱出の試みるも執拗な追っ手(馬に乗った貴族と狩猟犬)に追いかけられ、広大な敷地から脱出できるのか・・・
イギリスにおける階級社会は大分見えにくくなっているものの、潜在的に(時には明示的に)存在していることを時々認識させられます。エリザベス2世女王やハリーとメーガンはその典型といえますが、それだけではありません。ちょっとしたところに階級社会の壁や意識を感じることがあるのです。
フォックスハンティングはイギリスでも禁止されましたが(案外最近のことで2004年に法律が制定されました)、その過程では上流階級からの反対もあり、法案は議会の3分の1が反対しました。そして未だにフォックスハンティングの是非が議論され、違法なハンティングも後を絶たない状況なのです。
この映画ではフォックスハンティングをヒトに置き換えていますが、追われる側から見ると、この残虐さを感じることができます。
公団住宅から出陣する中流階級のギャングたち、それを弄び使い倒そうとする上流階級、広大な荘園、こうしたことは今やあり得ないようでありながらあり得そうな話で、イギリスに根強く残る階級社会やその問題を揶揄しようとしている作品と見えます。
主人公である貴族の女主人を演じるサマンサ・ボンドは、なんと007シリーズではマニーペニー役(ゴールデンアイ〜ダイ・アナザー・デイ)であり、その役柄の違いに驚きますが、実はこっちの方が適役なのかと思う雰囲気を感じさせます。
また、骨董商で登場するラリー・ラムはEastendersやGavin & Stacyなどのイギリスの連続ドラマの印象が強いですが、1978年公開の「スーパーマン」にも出演していたとは、こちらも驚きなのです。
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